国際的な折り紙作家、タロー・ヤグチさんが主宰するタローズ折り紙スタジオ・浅草は、日本の伝統芸術である折り紙を、体験を通して身近に感じられるようにと作られた特別な空間です。浅草寺から歩いてすぐの場所にあり、海外の観光客だけでなく、地元の人々にも愛されています。このスタジオは、もともとアメリカのニューヨーク・ブルックリンを拠点として2010年に創業された「Taro’s Origami Studio」が、折り紙文化の発祥地である日本に満を持して2023年1月にオープンしたフラッグシップストアにあたります。ヤグチさんは、日本の伝統的な紙である和紙のビジネスを営んでいた祖父から、紙や自然に対する深い尊敬の念を受け継ぎ、それが折り紙への情熱へと繋がったそうです。特許事務所の経営に携わった後、2001年に国際技術移転の会議で配った折り紙の紙飛行機が大反響を呼んだことが、折り紙を「事業化」するきっかけとなったといわれています。このスタジオは単なる教室ではなく、タロー・ヤグチさんの素晴らしい折り紙作品が展示された「折り紙ミュージアム」としての顔も持っていて、訪れる人々に創造的なインスピレーションを与えています。

タローズ折り紙スタジオの最大の特徴は、独自の指導法「タローズ折り紙メソッド」を取り入れている点です。これは、長年の海外での経験から編み出されたもので、闇雲に折るのではなく、折り方をステップ化し、論理的に系統立てて教えるというユニークな教授法です。このメソッドでは、武道にならい、基本の折り方を「型」として6級から1級までのレベルに分けているのが面白いところです。例えば、6級は黄帯、5級は橙帯といったように色分けされていて、それぞれの級の折り方をマスターすると昇級テストを受けるという、まるで空手のような仕組みで着実にスキルアップできるよう工夫されています。また、インストラクターの指導のもと、タッチパネル式の折り紙ソフトを使って実際に折り紙を体験できるので、初めての方から上級者の方まで、自分のペースで折り紙の楽しさを感じられます。

スタジオでは、家族やグループで楽しめる折り紙体験を、45分などの手軽な時間から楽しむことができます。好きな色の紙を選んで、インストラクターから分かりやすい説明を受けながら作品を完成させる時間は、静けさの中でのマインドフルネスな体験として人気です。完成した折り紙アートは思い出として持ち帰ることができ、学んだ折り方の知識は何年経っても役に立ちます。また、本物の折り紙用紙や、なかなか手に入らない折り紙本の販売も行っています。特に、表面だけが着色され裏面は白色の、カラーチェンジを楽しめる定番の折り紙用紙は、練習にも適していて人気を集めているそうです。

さらに、2)や3)の体験クラスだけでなく、記念日やお祝いにぴったりのバースデーパーティープランなど、グループ向けの専用スペースを利用した特別なサービスも提供されています。お子さまが好きなテーマを選び、折り紙ソフトのライブラリーから作品を選んで、ゲストと一緒に折り紙の芸術を共有できる特別な時間です。日本国内だけでなく、ニューヨークを拠点として企業の要望に応じた折り紙デザインの制作や、映画、ミュージカル、テレビコマーシャルなどでの採用実績を持つタロー・ヤグチ氏の芸術性が身近に感じられるのも、このスタジオの大きな魅力です。折り紙を単なる遊びではなく、世界に通用するアートとして捉え、その楽しさと奥深さを幅広い世代に伝え続けている場所です。