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牛久市女化町に残る旧岡田小学校女化分校校舎は、1939年に建てられた木造の学校建築で、牛久市で今も見ることができる唯一の戦前の木造校舎です。現在の校舎が建つより前、この地では1898年に前身となる私立女化尋常小学校が開かれました。学校の始まりには女化原の開拓が深く関わっており、津田出が開拓した津田第七農場の一部を引き継いだ入植者たちが、子どもたちの学びの場として学校を開いたことがルーツです。長いあいだ地域の子どもたちを見守ってきましたが、1972年3月に閉校しました。
校舎は木造平屋建てで、建築面積は388㎡。横に長く伸びる建物の外壁には下見板張りが使われ、正面の東寄りには切妻屋根を載せた玄関が設けられています。内部は北側に廊下、南側に教室を並べた片廊下式で、大教室は必要に応じて内部を2つに分けられる造りです。授業だけでなく、さまざまな集まりにも使いやすいよう工夫されていたことがうかがえます。設計者については、今回確認できた公的資料では明らかにされていません。華やかな装飾を施した建物ではありませんが、木造校舎らしい端正な姿や素朴な板張りの外観から、昭和初期の学校建築の面影を感じられます。
この学校が興味深いのは、単なる教育施設ではなく、開拓によって生まれた地域のよりどころでもあったことです。前身の学校には開拓入植者の子どもたちが通い、地域の集会所としても使われました。人々が顔を合わせ、つながりを育んだ場所でもあったのです。また、女化原の開拓は牛久のワイン造りの歴史ともつながっています。学校を開いた入植者たちが引き継いだ津田第七農場は、のちの神谷葡萄園へとつながる土地で、この歴史的背景から旧岡田小学校女化分校校舎は日本遺産「日本ワイン140年史」の構成文化財にもなっています。牛久シャトーだけを訪れるのとはひと味違い、ワイン産業が育っていく時代の地域社会や暮らしにも目を向けられる場所です。
建設当初の姿をよく伝えることも評価され、2018年5月10日には国の登録有形文化財に登録されました。牛久市では初めての国登録有形文化財となった建物です。閉校後も取り壊されず、現在は牛久市が管理し、校舎の公開や地域文化を次の世代へ伝えるための活動などに活用しています。昔の学校を再現した施設ではなく、実際に子どもたちが通い、地域の人々が集まった校舎そのものが残っているところに大きな魅力があります。
見学できる日は限られているので、訪れる前の確認がおすすめです。2026年9月時点の牛久市の案内では、4月から11月15日までは火曜日から木曜日、11月16日から3月までは火曜日と木曜日の9時から16時に限定公開されています。台風や地震、大雪などの際や撮影の都合によって公開が中止される場合もあります。所在地は牛久市女化町391番地1です。個人で楽しむ非営利の写真撮影はできますが、撮影した写真や動画を利益につながる用途で使う場合は事前の許可が必要です。昔ながらの木造校舎を眺めるだけでなく、女化原の開拓、子どもたちの教育、そして牛久のワイン造りへと続く歴史を重ねながら歩くと、この小さな分校が地域で果たしてきた役割がより身近に感じられます。
| 住所 | 茨城県牛久市女化町391−1 |
|---|---|
| 電話 | 029-872-0442 |
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