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東京・浅草の梅園(うめぞの)は、江戸時代から続く甘味処の老舗です。創業は1854年(安政元年)。浅草寺の別院だった梅園院(ばいおんいん)の一角に、小さな茶屋を開いたことから歴史が始まりました。梅園院の庭には多くの梅の木が植えられており、その寺院の名前にちなんで「梅園」と名付けられたといいます。現在の本店は東京都台東区浅草1丁目にあり、浅草寺や仲見世通りを訪れる観光客にも親しまれています。170年以上にわたって受け継がれてきた甘味は、浅草の食文化を語るうえで欠かせない存在です。
梅園の歴史を象徴するのが、創業当時から看板商品として愛されてきたあわぜんざいです。初代が考案したこの甘味は、江戸の人々の間で評判となり、やがて東京を代表する名物のひとつになりました。文豪・永井荷風の小説『踊子』にも梅園でおしるこを食べようとする場面が登場し、当時から多くの人が足を運ぶ人気店だったことがうかがえます。1948年には株式会社として新たな歩みを始め、現在も昔ながらの味を大切に守り続けています。
名物のあわぜんざいは、その名前とは異なり、粟ではなく「餅きび」を使って作られるのが特徴です。餅きびを半搗きにして練り上げ、蒸した餅に、じっくり炊き上げたこしあんを合わせます。なめらかなこしあんの甘さと、餅きび特有のほのかな渋みが調和し、素朴ながら奥行きのある味わいに仕上がっています。温かな餅のもっちりとした食感も魅力で、素材の風味をじっくり楽しめる一品です。餅とあんというシンプルな組み合わせだからこそ、長年培われてきた職人の技と味づくりへのこだわりが感じられます。
あわぜんざいと並んで親しまれているのが、田舎しるこや御膳しるこなどの伝統的な甘味です。また、あんみつも人気の品で、白玉あんみつやクリームあんみつ、抹茶あんみつなど、好みに合わせて選べる種類がそろっています。赤えんどう豆は職人が日々蒸し上げ、どら焼きの皮も1枚ずつ手焼きするなど、和菓子づくりには昔ながらの手仕事が息づいています。甘味だけでなく、梅園ぞうにや茶そばといった食事メニューも楽しめるため、浅草散策の途中に立ち寄るのにもぴったりです。
本店では店内で甘味を味わえるほか、持ち帰り用の和菓子も販売しています。あんみつや豆かん、わらび餅、どら焼などは、浅草らしいお土産を探している人にもおすすめです。季節に合わせた和菓子も作られており、訪れる時期によって異なる味に出会えるのも楽しみのひとつ。浅草寺への参拝や下町散策の合間に、江戸時代から受け継がれてきた甘味でひと休みしてみてはいかがでしょうか。梅園は、浅草の歴史とともに歩んできた伝統の味を、今も気軽に楽しめる甘味処です。
| 住所 | 東京都台東区浅草1-31-12 |
|---|---|
| 電話 | 03-3841-7580 |
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