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スペイン、エストレマドゥーラ州に位置する古都メリダには、かつてローマ帝国の植民都市「エメリタ・アウグスタ」として栄華を極めた時代の壮大な遺跡群が今も息づいています。紀元前25年に皇帝アウグストゥスによって建設されたこの都市は、ルシタニア属州の州都として重要な役割を担い、その輝かしい歴史は、1993年にユネスコ世界遺産に登録された「メリダの考古遺跡群」として現代に語り継がれています。
この遺跡群の最大の魅力は、その保存状態の良さと多様性にあります。古代ローマの都市生活をほぼ完全な形で垣間見ることができる、世界でも稀有な場所と言えるでしょう。特に圧巻なのは、紀元前16-15年頃にアグリッパによって建設されたとされる「ローマ劇場」です。6,000人もの観客を収容できたというこの劇場は、2,000年以上の時を経た今も現役で、毎年夏には「メリダ国際古典演劇祭」が開催され、古代の空間で現代の演劇が上演されるという、時空を超えた感動を味わうことができます。また、隣接する「円形闘技場」は、紀元前8年に献納され、剣闘士の激しい戦いや猛獣との闘いが繰り広げられた血湧き肉躍る場所でした。約15,000人を収容したとされ、その巨大な規模から当時の人々の熱狂ぶりがうかがえます。
さらに、全長400メートル、幅96メートルにも及ぶ広大な「ローマ競技場」は、戦車競争が行われた市民最大の娯楽施設であり、約30,000人を収容できたと言われています。その全貌を見渡せるローマ競技場は世界でも数少ない例の一つであり、古代ローマの都市計画と土木技術の高さを示す好例です。他にも、水運びの技術に感嘆する「ロス・ミラクロス水道橋」や、グアディアナ川に架かる堅牢な「ローマ橋」、そして9世紀にイスラム教徒によって建設された「アルカサバ」など、異なる時代が混在する歴史的建造物が点在しており、それぞれの遺跡がメリダの多層的な歴史を物語っています。
これらの遺跡を巡ることで、古代ローマの人々がどのように生活し、何を楽しみ、何を信じていたのかを肌で感じることができます。ただの「遺跡」ではなく、2000年前の息吹が感じられる「生きた歴史」としての体験は、他の世界遺産では得られない、メリダならではの特別な魅力です。国立ローマ美術館では、メリダで発掘されたコイン、彫刻、宝飾品など膨大なローマ時代の遺物が展示されており、建築家ラファエル・モネオが設計した近代的な建物も必見です。

【世界遺産】メリダ遺跡群をご紹介|今も残るローマの風とは? – skyticket 観光ガイド
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