明治40年（1907年）創業という100年以上の歴史を持つこの老舗古書店は、単なる本の販売にとどまらず、まさに「20世紀の記憶装置」とでも呼ぶべき、ユニークなコレクションで知られています。

秦川堂書店が専門とするのは、古地図、江戸・東京に関する歴史研究資料、鉄道関連資料、産業史、さらには絵葉書、古写真、ポスターといった多岐にわたる「紙モノ」の数々です。これらのコレクションは、単なる文字情報だけでなく、当時の様子を視覚的に伝える貴重な資料として、学術研究者から一般の歴史愛好家まで、幅広い層から支持されています。
特に、NHKの番組「ブラタモリ」でも紹介された古地図の品揃えは圧巻で、様々な時代や縮尺の地図が整然と並べられた店内は、まるでタイムスリップしたかのような感覚を覚えます。一枚一枚の地図には、その時代の風景や人々の暮らしが刻み込まれており、思わず時間を忘れて見入ってしまうことでしょう。
鉄道ファンにとっては、時刻表や旅行案内書など、明治期や昭和初期の貴重な資料が揃っており、鉄道の歴史を紐解く上で欠かせない存在となっています。