【#新美の巨人たち】90年前に理想の暮らしを追求した建築家とその妻が建てた住宅『土浦亀城邸』2025/9/20放送

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土浦亀城邸

日本の近代建築史において重要な意味を持つ住宅です。
この建物は、巨匠フランク・ロイド・ライトの愛弟子であった建築家・土浦亀城(つちうら かめき)が自邸として設計し、日本の気候風土に適したモダニズム建築を追求した傑作として知られています。

ここは建築家・土浦亀城が自らの住まい兼アトリエとして建てた、まさに「実験の家」でした。
土浦は、アメリカ留学中にフランク・ロイド・ライトに師事し、帝国ホテルの建設にも携わった人物です。
帰国後、彼はライトから学んだ「有機的建築(オーガニックアーキテクチャー)」の思想を、日本の風土に合わせて再構築するという独自の道を歩み始めました。その思想が結実したのが、この土浦亀城邸です。

当時の日本の住宅建築がまだ伝統的な木造建築や洋風の装飾的な建物が主流だった時代に、土浦亀城邸がまとっていたのは、一切の装飾を排した白い箱型の外観と、水平に連続する大きな窓という極めてシンプルなモダニズム様式でした。
これは、周囲の景観とは一線を画す、非常に革新的なものでした。

建物の内部には、日本の高温多湿な夏を快適に過ごすための工夫が随所に凝らされています。
特に注目すべきは、建物全体を貫く南北の大きな窓です。これによって、通風を最大限に確保し、室内に自然な風の流れを生み出しています。
また、土浦は天井にトップライト(天窓)を設けることで、一日を通して安定した自然光を取り入れ、建物の奥まで明るくする工夫を凝らしました。さらに、家族の集まる空間の中心には暖炉が据えられ、団らんの場を形成しています。

この土浦亀城邸の設計思想は、戦後の住宅不足を解消するために土浦が提唱した「箱の家」の原点となりました。
シンプルで合理的なデザイン、安価で量産が可能な構造、そして日本の気候に合わせた機能性を追求した「箱の家」の考え方は、その後の日本の住宅建築に多大な影響を与えました。

この建物は、その建築的価値が認められ、2019年に国の登録有形文化財に登録されました。
普段は非公開のため内部を見学することはできませんが、月に2回程度、見学会が開催されることもあります。
建物の外観はいつでも見ることができ、その普遍的な美しさと、時代を超越したモダニズムの思想を感じることができます。
南青山というファッショナブルな街並みの中にひっそりと存在する、日本の近代建築史の貴重な遺産です。

住所 〒107-0062 東京都港区南青山2丁目5−12

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