代々木上原の駅から歩いてすぐの場所に、連日行列が絶えない人気のスパイスカレー店、ハルダモンカレーがあります。もともとは夜営業をしているバーを間借りしてスタートしたお店で、その味の評判が広がり、今では遠方からも多くのお客さまが訪れる名店となりました。店名の「ハルダモン」は、店主のハルさんと、カレーに欠かせない芳しいスパイス「カルダモン」を組み合わせた造語で、店主がアーティストとしてもご活躍されていることもあり、その創作性がお皿の上にも表現されています。身体に優しく、毎日食べても飽きないようなカレーを目指し、グルテンフリー、低GIをコンセプトに、一つひとつ丁寧に手作りされています。

このお店のカレーの大きな特徴は、その深い味わいのルーツにあります。店主は魚料理店で出汁の取り方を学んだ経験をお持ちで、その技術がスパイスカレーにも活かされています。様々なスパイスの香り豊かな風味と和の出汁が持つ奥深い旨みが融合することで、他では味わえないオリジナリティあふれる一皿が生まれるのです。また、お店のカレーは、混ぜることでより一層香りと味が引き立つように計算されており、何種類も添えられた彩り豊かな副菜、アチャールと混ぜ合わせながら食べ進めることで、一口ごとに新しい味の深みを楽しむことができます。メニューは日替わりでA・B・Cの3種類が提供され、旬の食材やその時々で使ってみたい食材を取り入れながら、基本的に毎日違った創作カレーが生まれており、同じ絵を描かないアーティストの想いがメニューにも反映されています。

来店される方の多くが注文されるのは、その日提供される3種類のカレー全てを一度に楽しめる3種盛りあいがけです。一つのプレートに盛り付けられた個性豊かなカレーと、中央のライスや豊富なアチャールを自由に混ぜ合わせることで、まさにその日限りの味のハーモニーに出会えます。この「あいがけ」スタイルこそが、ハルダモンカレーの醍醐味と言えるでしょう。

このお店では定番メニューを設けず、常に新しい創作カレーを提供しています。例えば、香り豊かなスパイスとチキンが絡み合うカルダモンチキンカレーのような正統派カレーから、ポルトガル領であったゴア発祥の酸味と辛味が特徴的なポークカレー（ビンダルー）、さらに日本人には馴染み深い食材を用いたサバ大根カレーなど、世界の料理からインスピレーションを得た、驚きと発見に満ちたメニューが日々登場します。また、マトンのヤクニやシーフードココナッツカレーといった、食材の持つポテンシャルを最大限に引き出すユニークなカレーにも出会えるかもしれません。いつ訪れても新たな美味しさに出会えるワクワク感も、このお店が多くのファンに愛され続ける理由の一つです。遠方から訪れる場合は、特に土日祝日は大変混み合うことが予想されますので、心にゆとりをもって出かけるようにしてください。なお、メニューの詳細は日々お店の公式SNSなどでご確認いただくのがおすすめです。