秋田県の食を語る上で欠かせない横手駅周辺で、長年にわたり地元の人たちに愛されているラーメン店が、こちらのラーメン幸です。JR横手駅から徒歩圏内に店を構え、昼の食事時にはもちろん、夜は飲んだ後の「シメ」の場所としても多くの人に親しまれてきました。1997年頃に産声を上げ、2002年に現在の場所へ移ってからも、その確かな味で地域に根ざしています。主力のラーメンのほかにも、餃子やちゃんぽんといった中華の定番をそろえていて、どんなお客さまでも温かく迎え入れてくれる雰囲気を持っています。

ラーメン幸の最大の特徴は、その多様なメニューのラインナップです。特に夜の時間帯には、ラーメン店でありながら、お酒とともに楽しめる一品料理も豊富にそろえており、地域の交流の場としての側面も持ち合わせているのです。飲み会の後の締めの一杯を楽しみに立ち寄る方も多く、深夜0時を過ぎても営業している時間帯があるため、まさに横手の夜の食文化を支えるお店の一つと言えます。カウンター席も用意されていて、お一人で気軽に立ち寄れるところも、地元の人に愛される理由の一つになっています。個性あふれる創作ラーメンへの探求心も、このお店の魅力の一つです。

数あるメニューの中でも、お店を代表する人気の一杯がちゃんぽん風イカスミです。一見すると驚くほど真っ黒なスープですが、イカ墨を贅沢に使っているために、見た目とは裏腹に魚介の濃厚な旨みがしっかりと味わえる奥深い風味に仕上がっています。キャベツやもやしなどの野菜がたっぷり入っているのも特徴で、イカやエビ、ホタテといった海の幸もふんだんに使われています。磯の風味と野菜の甘みが溶け出したスープは、コシのある中太麺によく絡み、多くのファンを魅了してやみません。栄養バランスにも配慮されていて、深いコクがありながらもついつい飲み干したくなる、至高の一杯です。

また、もう一つの独創的なメニューとして知られているのが納豆ラーメンです。地元秋田の食文化にも根ざした納豆をラーメンに合わせるという発想は、まさにラーメン幸ならではの挑戦です。納豆の風味とねばりがスープに溶け出し、独特のまろやかさと深みをプラスしています。初めて召し上がる方は驚かれるかもしれませんが、この個性的な組み合わせがクセになると評判で、リピーターも多い人気メニューとなっています。サイドメニューも見逃せません。人気を集める羽根つき餃子は、パリッとした香ばしい羽根の食感と、ジューシーな餡のバランスが絶妙で、ラーメンのお供にもお酒のおつまみにもぴったりです。さらに、サイドメニューのテキサスメンマも、ラー油ベースで仕立てられたチャーシューとメンマの組み合わせが絶妙で、お酒のアテとして定着しています。定番の味噌味をベースに9種類の具材が入った味噌ちゃんぽんや、見た目にもボリュームのある黒胡麻担々も人気があり、訪れるたびに新しい味に挑戦できる楽しさも、このお店が長く愛され続ける秘密と言えるでしょう。地元の温かい雰囲気の中で、個性豊かな一杯に出会えるラーメン幸は、横手にお越しの際にはぜひ立ち寄りたい場所です。