南アルプスの深い自然に抱かれた、まさに“秘境”と呼ぶにふさわしい場所に佇むユニークな宿です。
単なる宿泊施設ではなく、訪れる人々を日常から解き放ち、大自然の中での冒険と心温まる交流を提供する、特別な体験の場として知られています。

奈良田は、昭和30年頃まで外界との往来が困難な「陸の孤島」で、自給自足の生活が営まれていました。
電気や道路が整備される以前は、すべてを自らの手でまかなう暮らしが常態であり、その知恵と技術は、現在も地元の長老を中心に受け継がれています。
そんな奈良田の文化を残していきたいとこの宿を開きました。

宿のすぐそばを流れる清らかな早川水系を利用した渓流釣りは、この宿の目玉の一つ。
ヤマメやイワナといった渓流魚が釣れるポイントへと案内してもらい、時には獲れたての魚をその場で焼いて味わうこともできるそうです。
豊かな自然の中での釣りは、日常では味わえない非日常感と、釣り上げた時の達成感を与えてくれます。

自分たちで蕎麦粉をこね、麺を打つそば打ち体験も人気のアクティビティです。
オーナー夫妻の丁寧な指導のもと、粉から手作りの蕎麦を作り上げる過程は、大人から子供まで夢中になれる貴重な体験となるでしょう。
打ちたての蕎麦をその場で味わう感動は格別です。また、畑仕事体験や、周辺の山林での自然散策、薪割り体験など、季節や天候に応じて様々な「山人」ならではの暮らしの知恵を学ぶことができます。

宿泊する上で決して外せないのが、山の幸を中心とした手作りの料理です。
宿のオーナーが自ら山で採ってきた山菜やキノコ、近隣で獲れたジビエ（鹿肉など）や地元の食材をふんだんに使い、一品一品心を込めて作られた料理は、素朴ながらも滋味深く、身体に優しい味わいです。
季節の山菜の天ぷら、鹿肉の朴葉味噌焼き、自家製味噌汁など、普段の食卓ではなかなかお目にかかれない山の恵みを存分に堪能できます。
特に、宿で提供される蕎麦は、そば打ち体験で打った蕎麦とはまた異なる、特別な味わいを提供してくれると評判です。