つくばエクスプレス浅草駅から徒歩数分の、浅草観音裏に店を構える洋食レストランです。グリル グランドは、多くの観光客で賑わう雷門や仲見世通りとは反対側の、通称「奥浅草」と呼ばれる静かな地域で、1941年の創業以来、三代にわたって受け継がれてきた特別な味を守り続けています。初代のオーナーは、創業に先立ち山王ホテルでフランス料理を修行し、その技術を礎にこの地で開業しました。現在は、どこか懐かしくも新しい、日本人好みの「日本の洋食」の味わいを大切にしています。

お店は現在、三代目シェフの弟・坂本良太郎さんと、ホールで接客を担当する兄・坂本昌一さんの兄弟二人三脚で営まれています。料理の道を究めてきた良太郎シェフのモットーは「変えているけど 変わらない味」で、伝統の味を守りつつも、時代に合わせた変化も取り入れています。一方、25年間の会社員経験を持つ兄の昌一さんは、その経験を活かしてお客様目線でのきめ細やかなサービスを提供し、店を支えています。兄弟の絶妙な役割分担が、お店を温かい雰囲気で包んでいます。浅草の常連さんをはじめ、親子三世代の家族連れ、女性同士のグループ、またインターネットで調べて訪れる外国人旅行者まで、幅広いお客様がこの場所で食事を楽しんでいらっしゃいます。時には近所の料亭からの出前も受けるなど、地域に深く根ざした下町らしい風景が、今も変わらずそこに息づいています。

このお店の洋食にとって欠かせないのが、じっくりと時間をかけて作られるデミグラスソースです。実に2週間もの手間ひまをかけて煮込まれたソースは、深いコクとまろやかさを持ち、多くの料理の「要（かなめ）」となっています。そのデミグラスソースの魅力を存分に味わえるのが、お店の一番人気、ビーフシチューです。7時間も煮込まれたお肉は、お箸でほろほろと崩れるほどやわらかく、極上の味わいを生み出しています。

また、ぜひ一度召し上がっていただきたいのが、コロッケグランプリのクリーム部門で連続金賞を受賞したカニクリームコロッケです。洋食の王道であるベシャメルソースにカニの旨みが溶け込み、サクサクの衣の中からは、とろりとしたクリームがあふれ出します。このコロッケは、新鮮な自家製ラードで揚げているため、他のコロッケとは違う軽やかで特別な食感に仕上がっています。

そして、洋食の定番であるオムライスにも、代々受け継がれた工夫が見られます。特製のチキンライスを丁寧に卵で包み込んだ昔ながらのスタイルに加え、三代目が新たに取り入れた、チキンライスの上にふわとろのオムレツを乗せて仕上げるスタイルも人気です。どちらも、デミグラスソースかケチャップを選んで味わうことができ、お客様の好みに合わせて楽しめます。その他、ボリューム満点で肉汁あふれるビーフハンバーグや、大根おろしを添えてさっぱりといただける常連様一番人気の牛ソテーなども、世代を超えて愛され続けるこの店の名物料理です。