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横浜・元町の路地裏に店を構えるO to Uは、意外な食材の組み合わせから新しいおいしさを生み出す、小さなベーカリーです。2019年にオーナーシェフの薄井雅治さんが開店しました。店名は「表と裏」を意味し、「和と洋」「甘さと酸味」といった、一見すると離れているように感じるものをひとつのパンに重ねる発想につながっています。元町・中華街駅から歩いて数分、元町商店街から少し山側へ入った建物の2階にあり、にぎやかな通りから少し離れた隠れ家のような場所です。横浜市の移住情報でも、異なる食材との出会いをテーマにした店として紹介されています。
店主の薄井さんは、修業時代からパンのアイデアを少しずつ蓄え、独立にあたって試作を重ねながら商品へ仕上げていきました。生地だけでなく、パンに合わせるあんこやジャム、クリーム、さらにソーセージやベーコンまで手作りすることを大切にしています。その姿勢がよく伝わる代表作があんぱんです。一般的な丸いあんパンとは異なり、バターと卵を使ったブリオッシュを小さなバーガーのように仕立て、自家製の粒あんを挟んでいます。あんこには黒糖を使い、横浜市の紹介では8時間かけて炊くとされています。湯種を使ったブリオッシュのもちっとした食感と、豆そのものの風味を残したあんこを重ね、「和と洋」という店の考え方をわかりやすく味わえるパンになっています。
もうひとつO to Uらしさが際立つのが、異なる風味を重ねた小ぶりなパンです。なかでもマッチャとカシスは、抹茶のほろ苦さとカシスの鮮やかな酸味を合わせた組み合わせです。店主への取材では、単調な甘さではなく味に起伏をつけることを意識して作られたことが紹介されています。クリとレモンも、栗のまろやかな風味にレモンの爽やかさを合わせるなど、名前を見ただけでは味を想像しきれない楽しさがあります。こうした組み合わせは奇抜さだけを狙ったものではなく、それぞれの素材が引き立つよう試作を重ねて形にされています。
ほかにも、果実と木の実の風味を重ねるいちじくとマロンや、卵を主役にしたたまごパン、層を重ねた生地を楽しめるクロワッサンなど、甘いパンから食事向きのパンまで幅広く作られています。ハード系のパンにも工夫があり、フランス産と国産の小麦粉を組み合わせ、湯種を取り入れることで、外見から想像するよりも内側はしっとりとした食感に仕上げています。クリスマスの時期には、あんこを練り込んだ生地にドライフルーツやナッツを加えるあんこシュトレンも作られてきました。伝統的なパンをそのまま再現するのではなく、店ならではの発想をひとつ加えるところにもO to Uの個性が感じられます。季節によって並ぶ種類が変わるため、訪れるたびに違った組み合わせと出会えるのも楽しみです。
| 住所 | 神奈川県横浜市中区元町1-54 リブレ元町 2F |
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