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青森県弘前市の坂本町にある名曲&珈琲 ひまわりは、クラシック音楽が流れる落ち着いた空間で、コーヒーや洋食、スイーツを楽しめる喫茶店です。もともとは市内の品川町で「ひまわり喫茶ルーム」として営業していましたが、1959年に現在の場所へ新築移転し、名曲&珈琲 ひまわりとして新たにスタートしました。店名には、ひまわりの花のように誰からも愛される喫茶店になってほしいという願いが込められています。
創業当時は、家庭にステレオが普及する前からレコードでクラシック音楽を流し、自家焙煎のコーヒーを味わえる店として親しまれていました。かつてはヘッドホンを備えた音楽鑑賞用の席が設けられ、週替わりで演奏曲を紹介するプログラムも用意されていたそうです。現在は音楽の再生方法が変わりましたが、名曲を聴きながらゆっくり過ごすという喫茶店のスタイルは受け継がれています。
建物も大きな見どころのひとつです。1959年の建築当時からの姿をほぼそのまま残す外観は、石積み風の柱やアイアンの装飾看板が印象的。店内には黒い梁を生かした天井やアンティーク家具が残り、壁には絵画や陶器などが飾られています。かつては絵画展やコンサートも開かれ、弘前の芸術家や文化人が交流する場所としても親しまれてきました。こうした歴史や建築の魅力が評価され、2009年には弘前市の「趣のある建物」に選ばれています。
コーヒーのメニューで注目したいのが、弘前の歴史にちなんだ藩士の珈琲です。江戸時代、北方警備のために蝦夷地へ派遣された津軽藩士たちは、浮腫病を予防するためにコーヒーを薬として飲んでいたと伝えられています。この飲み方を成田専蔵珈琲店の成田専蔵さんが再現したものが、藩士の珈琲です。土瓶と湯飲み茶碗を使うのが特徴で、土瓶の中にはコーヒーを入れた布袋が収められています。時間とともに抽出が進み、少しずつ変化する味わいを楽しめる、弘前ならではの一杯です。
食事では、長年親しまれているミートパイが人気です。香ばしいパイ生地の中には、ひき肉と玉ねぎを使った具がぎっしり。肉の旨みと玉ねぎの甘みを楽しめる一品で、軽い食事やコーヒーのお供にもぴったりです。持ち帰りにも対応しています。また、自家製ホワイトソースを使ったドリアも代表的なメニューのひとつ。ドライカレーにホワイトソースとチーズを重ねたカレードリアなど、昔ながらの喫茶店らしい洋食を味わえます。
スイーツも充実しており、なかでもプリンは喫茶店らしい懐かしさを感じられる一品です。カラメルソースをまとったプリンに生クリームと赤いサクランボが添えられ、素朴でかわいらしい姿が印象的。卵の風味とカラメルのほろ苦さが調和した味わいです。また、とうふチーズケーキも長年親しまれてきたメニューとして知られ、食事のあとに甘いものを楽しみたいときにもおすすめです。
近年は、お笑いコンビシソンヌのじろうさんとのつながりでも注目を集めています。弘前市出身のじろうさんは、地元の土手町周辺を盛り上げようと、2025年2月に自身が単独ライブで使用したコントの台本18冊を周辺の喫茶店などに設置しました。名曲&珈琲 ひまわりにも2冊が託され、店内で自由に読めるようにする取り組みが始まりました。台本には直筆の書き込みや使い込まれた跡も残り、コントが生まれる過程を身近に感じられる貴重な資料となっています。台本を閲覧したい場合は、お店の方に声をかけてみてください。
お店は弘南鉄道の中央弘前駅から近く、土手町商店街の散策途中にも立ち寄りやすい場所にあります。周辺には弘前れんが倉庫美術館などの文化施設もあり、街歩きとあわせて訪れるのも楽しみ方のひとつです。専用駐車場はないため、車の場合は周辺の駐車場を利用してください。昭和から続く喫茶文化と弘前の歴史に触れながら、コーヒーの香りとクラシック音楽に包まれて、ゆったりとした時間を過ごせるお店です。
| 住所 | 青森県弘前市坂本町2 |
|---|---|
| 電話 | 0172-35-4051 |