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大塚駅南口のサンモール大塚商店街で、旬の魚料理と全国の銘酒をじっくり楽しめる和食店があら井です。東京都豊島区南大塚3-53-5に店を構え、地域の商店街にも加盟しています。2024年の取材時点で、この地で店を始めて約30年。大将の実家は仕出し料理店を営んでおり、大将自身も父親のもとで料理を学んだ後に自分の店を開きました。料理人として受け継いだ技を生かしながら、酒と季節の肴を味わう昔ながらの酒場の雰囲気を守っています。大塚駅周辺はかつて花街として栄え、大正期に生まれた大塚三業地には最盛期に100軒を超える料理屋や待合が集まっていました。あら井にもその土地の記憶がつながっており、女将もかつての花街と縁の深い仕事に携わっていたそうです。店内には往時を思わせる写真も残され、大塚の華やかな時代に思いを巡らせながら杯を傾けられる一軒です。
この店らしさをよく表しているのが、魚介の仕入れと日本酒へのこだわりです。地域の商店街による店舗紹介では、大将自ら築地へ足を運んで魚を仕入れる店として紹介されています。魚を知る料理人がその時季の素材を見ながら献立を組み立てるため、訪れる季節によって楽しみが変わります。さらに店内には、銘柄を相撲の番付のように並べた独自の「日本酒番付」も掲げられています。中でも最上位には「名誉横綱」とされた希少な酒が並ぶなど、銘柄を選ぶ時間そのものも楽しみのひとつです。日本酒だけでなく焼酎も幅広く揃えており、料理に合わせて一杯ずつ選びたい方にも向いています。
料理で注目したいのは生の鮪に本山葵です。鮪そのものの味を主役にし、本山葵を合わせて味わうシンプルな一品で、魚介の仕入れを大切にするあら井らしさが伝わります。大将が自ら魚を見て仕入れるという店の姿勢を考えると、まず魚の料理から選びたくなります。素材を必要以上に飾らず、酒の肴として素直に楽しめる和食を中心に据えている点も、この店が長く大塚で親しまれてきた理由のひとつです。
魚だけでなく、岩手産の地養鶏も店の料理を知るうえで外せません。魚介中心の酒肴に鶏料理を組み合わせれば、味の変化も楽しめます。さらに大穴子の白焼は、穴子を蒲焼きの濃い味付けではなく白焼で仕上げるため、身そのものの風味を味わいやすい料理です。こうした料理に、その日の旬魚や季節の肴を重ねながら、日本酒や焼酎を合わせていくのがあら井の楽しみ方です。料理は季節によって内容が変わるため、特定の品を目当てに訪れる場合は事前の確認がおすすめです。花街の面影が残る大塚で、料理人の仕事と銘酒を落ち着いて味わいたい夜に覚えておきたい一軒です。
| 住所 | 東京都豊島区南大塚3-53-5 大塚DEビル 1F |
|---|---|
| 電話 | 03-5992-6685 |
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