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東京・中目黒からほど近い上目黒の閑静な住宅街にたたずむは、世界でも珍しいコスチュームジュエリーを専門に紹介する私立美術館です。華やかな装身具を通して、時代ごとのファッションやデザイン、職人たちの手仕事に触れられる場所として親しまれています。2010年に開館したこの美術館は、長年アクセサリーの製造や販売に携わってきた田中美晴・元子夫妻のコレクションをもとに誕生しました。夫妻が1960年代から海外で集めてきた装身具や衣服、絵画など、5万点を超える貴重な収蔵品を受け継いでいます。
の大きな魅力は、アクセサリーを単なる装飾品としてではなく、その時代の暮らしや文化を映し出す芸術作品として楽しめることです。館内では約2000点の作品を常設展示し、ヴィクトリア時代からアール・ヌーヴォー、アール・デコ、オートクチュール、プレタポルテ、アヴァンギャルドへと続く装いの変遷をたどれます。展示室には当時の衣服やバッグ、家具、絵画なども並び、アクセサリーが生まれた時代の空気まで感じられるよう工夫されています。繊細な植物模様が美しいヴィクトリア時代の装身具や、直線と幾何学模様を生かしたアール・デコの作品など、それぞれの時代を象徴するデザインの違いも見どころです。
なかでも注目したいのが、ココ・シャネルやクリスチャン・ディオール、ミリアム・ハスケル、エルザ・スキャパレリといった著名なデザイナーにまつわる作品です。コスチュームジュエリーは、宝石や貴金属の価値だけにとらわれず、ガラスや樹脂、金属など多彩な素材を使い、自由な発想で美しさを追求してきました。素材の組み合わせや細部の装飾を眺めると、職人たちの工夫やデザイナーの豊かな想像力が伝わってきます。ファッションの歴史に詳しくなくても、色や形、素材の美しさを楽しみながら鑑賞できるのが魅力です。
常設展示に加え、年に3〜4回ほど開かれる企画展も楽しみのひとつです。特定のデザイナーや時代、装飾文化などに焦点を当て、普段とは異なる角度からアクセサリーの魅力を紹介しています。2026年9月1日から12月20日までは、ファッションデザイナー鳥居ユキの創作世界に迫る「YUKI TORII 鳥居ユキのハッピー・パワー・アイデンティティ」を開催。自筆のデザイン画やコレクションに加え、本人が長年集めてきた小物やコスチュームジュエリーも紹介されています。
館内にはアクセサリー作りを学べるアトリエも設けられ、定期的に制作教室が開かれています。作品を鑑賞するだけでなく、自分の手で装身具を作る楽しさにも触れられるのは、専門美術館ならではの魅力です。また、ミュージアムショップではオリジナルアクセサリーやヴィンテージ、アンティークの品々などを扱い、展示とはひと味違う楽しみ方ができます。ショップは入館料を払わずに立ち寄れるため、散策の途中にのぞいてみるのもおすすめです。
最寄り駅は東急東横線の祐天寺駅で、徒歩約7分。中目黒のにぎわいから少し離れた落ち着いた街並みのなかで、装いの歴史をゆっくり味わえます。華やかなアクセサリーの向こうに広がる時代の物語を楽しめる、ファッションやデザイン、ものづくりが好きな方におすすめの小さな美術館です。
| 住所 | 〒153-0051 東京都目黒区上目黒4丁目33−12 |
|---|---|
| TEL | 03-3760-7411 |