滋賀県近江八幡市に位置する琵琶湖最大の島、沖島にある旅の宿が、沖島民泊 湖心 kokoです。沖島は、淡水湖に浮かぶ島としては日本で唯一、人が暮らしている有人島として知られており、近江八幡市の堀切港から船でわずか10分という近さでありながら、ゆったりとした時間が流れる別世界を感じさせてくれます。この民泊は、もともと漁師さんの家だった建物を改装して作られており、素朴で懐かしい雰囲気が訪れる人を温かく包み込んでくれるところが魅力です。地域に暮らす方々との交流の場にもなるようにと、さまざまな工夫が凝らされているところが特長です。

沖島民泊 湖心 kokoが目指しているのは、「なにもない、しあわせ。」という、島の暮らしをそのまま体験していただくようなひとときです。島の中には信号機や自動車がなく、移動は基本的に徒歩か自転車で、昭和の時代を思わせるような路地裏の風景や、湖から聞こえてくるトビの鳴き声が、日常の喧騒を忘れさせてくれます。建物の一階には、宿泊のお客様同士はもちろん、島の住民の方々とも交流できる共用のリビングスペースがあり、旅人たちが語らい、人と人がつながる場所となっています。キッチンには調理器具や食器、調味料も用意されていますので、ご自身で食料を持ち込んで島で暮らすように自炊を楽しむこともできます。また、沖島の生活をより深く体験してもらいたいという想いから、地域おこし協力隊の方が管理を担っていた時期もあり、島と外との架け橋となる役割も果たしてきました。施設からは琵琶湖の雄大な景色を一望でき、特に夕日が湖面に映し出される光景は息をのむ美しさです。すぐ近くにある桟橋は、琵琶湖を背景にした記念撮影にぴったりのフォトスポットとして人気があります。

沖島民泊 湖心 kokoでは食事の提供はありませんが、徒歩圏内には、沖島の豊かな食文化を堪能できるお食事処があります。おすすめのひとつが、青い看板が目印のcafe&gallery「汀の精（みずのせい）」です。こちらでは、四季折々の湖魚と沖島の畑で採れた野菜を使った、体に優しいお料理をいただくことができます。ランチやディナーは事前予約が必要ですが、琵琶湖を眺めながら、自然と共にある沖島の食卓を体験できるとあって、宿泊のお客様にも大変喜ばれています。窓辺には服飾デザイナーである店主さんの手作り布小物や、沖島の土を使った器なども並び、目でも楽しめます。

汀の精で特に味わっていただきたいのは、沖島の恵みたっぷりの湖魚料理です。琵琶湖の宝石とも呼ばれる高級魚、ビワマスのお刺身や、その卵を醤油漬けにした珍味、そして琵琶湖の固有種であるニゴロブナやコイの煮付けなど、獲れたての湖魚のおいしさを堪能できます。季節によっては、ビワマスの卵の醤油漬けが出てくることもあります。濃厚で旨みたっぷりのニゴロブナやコイの煮付けは、子持ちの時期にはまた格別な味わいと言われています。春には沖島で採れたミカンを使ったソーダなど、季節の酵素ドリンクも登場し、素朴で優しい沖島の味を感じることができます。また、事前にお弁当を注文して、それを民泊でゆっくりといただくのも素敵な過ごし方です。夜には港の漁船がオレンジ色の街灯に照らされ、日中とはまた違う幻想的な風景が広がり、島の暮らしの温かさと琵琶湖の雄大さを、心ゆくまで感じていただけることでしょう。