瀬戸内海に浮かぶ広島県の離島、大崎上島にあるシキファームは、島での暮らしに魅せられたご夫婦が2019年8月に移住してスタートさせた農園です。温暖な気候と穏やかな潮風に恵まれたこの島で、レモンやみかんをはじめとする柑橘、野菜、オリーブなどを無肥料・無農薬で大切に育てています。農産物の栽培と販売、加工品の製造、さらにカフェや天然染色体験も手掛ける複合的な「シキパーク」として、島の恵みとゆったりとした時間の流れを訪れる人々に伝えています。都会の生活を離れて移住し、人間味溢れる島の人々との関わりや豊かな食材を楽しむ毎日を送っています。

この農園を営むご夫婦は、念願だった愛犬との暮らしも実現しました。屋号である「シキ」は、島の四季折々の恵みを受けたいという願いを込めて、ご夫婦それぞれの名前の一文字を組み合わせて名付けられたものです。ボーダーコリーの「シキ」、その兄弟犬「ソワ」「アーサー」という3匹が看板犬として、訪れる人々を賑やかに出迎えてくれます。シキファームの大きな魅力は、無肥料・無農薬で育てられた安心安全な農産物を味わえるだけでなく、島の文化や暮らしを体験できる「シキパーク」の存在です。特に、収穫された柑橘や野菜を余すところなく活用する「シキの染め」と名付けられた天然染色体験は、古民家を改装した落ち着く空間で楽しめます。島の素材が織りなす繊細で美しい色合いは、まさに自然の恵みが体現されているようです。

「シキパーク」内には、古民家や柑橘倉庫を改装したイートインスペースを持つ「シキカフェ」や、農園の農産物を販売する「シキファームマルシェ」があります。広々とした芝生が広がるドッグランも併設されており、看板犬たちのように愛犬と自由に遊べる憩いの場として、地元の方々から観光客まで幅広く愛されています。倉庫内のイートインスペースは、愛犬と一緒に利用できるのも嬉しい配慮です。シキカフェでは、柑橘農家ならではのミカンやレモンなどの柑橘をはじめ、島の旬の素材をふんだんに使ったスイーツやドリンクが楽しめます。夏季限定で登場するひんやりスイーツの数々は特に人気を集めています。たとえば、練乳がたっぷりかかり、島のフルーツが賑やかに飾られたかき氷の白いぬ・Arthur (アーサー)は、「白くま」ならぬ「白いぬ」かき氷として、看板犬のアーサーの顔をモチーフにした愛らしい見た目も楽しめます。

シキカフェには、ほかにも個性豊かなメニューが並びます。豆乳プリンにブラックタピオカと三色小豆を添え、ジャスミンシロップの香りが優しく広がるかき氷の豆花・Shiki (トーファ・シキ)も夏季限定で人気の一品です。また、自家製レモンシロップとレモンジャムを使った爽やかなレモン かき氷・Soie (ソワ)や、大崎上島特産のブルーベリーを贅沢に味わうブルーベリー かき氷・Soie (ソワ)など、柑橘農園ならではの豊富な種類のかき氷が楽しめます。季節の素材を活かしたメニューは、ドリンクや加工品にも活かされており、島のフルーツを使ったフルーツラッシーソーダは、レモンやデコポン、ブルーベリーなどの優しい甘酸っぱさが爽やかなヨーグルト風味で味わえます。また、自家製のフルーツカードは、お土産におすすめしたい逸品です。柑橘の果汁と果皮がたっぷり入った、卵やバターを使ったコクのあるスプレッドで、パンやヨーグルトに添えるだけで、柑橘の香りがふわりと広がります。