【ドキュメント72時間】山口・岩国 うどん自動販売機の神がいる!『観音茶屋自販機コーナー』全国うどん自販機の旅 瀬戸内編 2026/9/4放送

紹介された番組
 
  • ブックマークとしてもどうぞ!

カテゴリ

その他のオススメスポット

【山口】宇部「maison owl」

【人生最高レストラン】#中野信子 幻想的な空間 洞窟レストラ...

かつ

【山口】下関「味納」

【バナナマンのせっかくグルメ】地元で愛される定食屋のド迫...

椋野駅「観音茶屋 自販機コーナー」

清流・錦川沿いの山あいで、今も昔ながらの麺類自販機に出会えるのが、岩国市美川町の観音茶屋 自販機コーナーです。国道187号から県道2号が分かれるあたりにあり、赤を基調とした大きな看板と、道路沿いに並ぶ自動販売機が目印になっています。始まりは1980年ごろとされ、近くのタングステン鉱山に関わっていた人物が土地を購入し、わずか2台の自動販売機を置いたことが原点です。その後、1997年に島根県で自販機の設置や整備などを手がけてきた西部技研の田中さんが引き継ぎ、敷地を広げながら自販機コーナーとして育ててきました。長い年月を経た現在も、昭和の街道沿いに見られた自販機文化を感じられる貴重な場所として残されています。

観音茶屋 自販機コーナーの歴史で忘れられないのが、2005年の台風による水害です。当時並んでいた14台の自動販売機のうち12台が流されるほど大きな被害を受け、現地も2m以上浸水したと伝えられています。一時は営業を続けることも難しい状況でしたが、その後再建されました。現在の姿は、単に昔の設備が偶然残ったものではなく、古い機械を修理しながら守ってきた人たちの手によって受け継がれてきたものです。自販機の前面には観音茶屋独自の絵柄が使われ、昔ながらの手描き文字が印象的な看板や行燈も、この場所ならではの景色をつくっています。

なかでも訪れたら注目したいのが、富士電機製の麺類自動調理販売機です。主役となる肉うどんは、ボタンを押してしばらく待つと、温かな一杯が器に入って出てくる昔ながらの仕組みです。長年にわたり現地で麺類を作ってきた方がいることも確認されており、機械だけがレトロなのではなく、その中に入る料理も人の手によって準備されています。肉うどんは牛肉とだしを合わせた一杯で、地元の醤油を使っただしに柚子を添えるスタイルも長く受け継がれてきました。自動販売機から温かなうどんが出てくるという、今では珍しくなった体験そのものが観音茶屋の大きな魅力です。

もうひとつの名物がラーメンです。こちらも麺類自販機で調理され、チャーシューを添えた昔懐かしい一杯として親しまれてきました。過去の詳しい取材では、厚みのあるチャーシューを使っていることが紹介されています。自販機には湯切りから盛り付けまでを限られた機構の中で行う工夫が詰まっており、ボタンを押してから料理が取り出し口に現れるまでの時間も楽しみのひとつです。周囲にはパンや菓子、飲み物などを扱う自販機も並び、かつてはさらに多彩な食品が販売されていました。大きな看板に残るホットドッグやちゃんぽんなどの文字からも、自販機が街道を行き交う人のおなかを満たしていた時代の面影を感じられます。

すぐ裏手には錦川が流れ、山の緑と川に囲まれた景色も、この場所を印象深いものにしています。鉄道では錦川清流線の椋野駅が近く、岩国市街から山間部へ向かうドライブの途中に立ち寄るスポットとしても楽しめます。昔の自販機は部品の確保や修理が難しく、設置台数や販売商品が変わることもあります。そのため、訪れた際に必ずすべての商品を購入できるとは限りません。それでも、古い機械を動かし、人の手で料理を仕込み、街道沿いの小さな食事処としてつないできた観音茶屋 自販機コーナーには、一般的な飲食店とはひと味違う旅の楽しさがあります。昭和の自販機文化と錦川の自然を一緒に味わえる、岩国の寄り道スポットです。

住所 山口県岩国市美川町南桑1286-1

最新記事