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川越氷川神社本殿は、川越の総鎮守として古くから親しまれてきた川越氷川神社の中心となる社殿です。現在の本殿は江戸時代後期から明治時代初めにかけて造営されたもので、天保13年(1842年)に工事が始まり、嘉永2年(1849年)に屋根が完成、明治3年(1870年)に上棟遷宮が行われました。川越城と城下町の繁栄を支えた人々の信仰を今に伝える建物で、2026年には国の重要文化財に指定されることが決まり、その歴史的・芸術的価値が改めて高く評価されています。
本殿は入母屋造に正面の千鳥破風や唐破風の向拝を備えた重厚な造りで、素木の美しさを生かした建築が特徴です。建築を手掛けた大工棟梁は印藤捨五郎と桑村三右衛門、彫刻は嶋村源蔵と飯田岩次郎が担当しました。社殿全体を埋め尽くすほどの精巧な江戸彫は、天岩戸をはじめとする日本神話や源氏物語など多彩な題材が立体的に表現されており、江戸後期の宮彫技術の粋を感じられます。過度になりがちな装飾を建築全体と美しく調和させた点も高く評価され、関東を代表する装飾社殿の一つとされています。
なかでも見逃せないのが、本殿の腰羽目に施された彫刻です。ここには社殿建立当時の川越氷川祭で曳き回された山車人形が題材として取り入れられており、神社と祭礼、そして城下町の人々との深い結び付きが表現されています。川越氷川祭の山車行事は国重要無形民俗文化財であり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。本殿は、その祭礼文化を建築として今に伝える貴重な存在でもあります。
参拝の際は、本殿正面だけでなく側面や背面にも目を向けると、場所ごとに異なる彫刻や細かな意匠を楽しめます。通常は内部へ立ち入ることはできませんが、季節や特別公開の機会には近くから彫刻を鑑賞できることもあります。また、文化財保護のため建物や装飾には触れず、写真撮影なども神社の案内に従って見学すると、美しい社殿を未来へ受け継ぐことにつながります。江戸の職人たちの卓越した技術と、川越の歴史や祭礼文化が一体となった本殿は、川越観光でぜひじっくり眺めたい見どころの一つです。
| 住所 | 埼玉県川越市宮下町2丁目11−3 |
|---|---|
| 電話 | 049-224-0589 |

川越氷川神社の公式サイト。今からおよそ千五百年前に創建され、古来より「縁結びの神様」「家庭円満の神様」として信仰されております。…